昨年よりNEWS ZEROでは『ブラックバイト』に関する問題が取り上げられています。
そして2016年1月8日のNEWS ZEROでも学習塾でのブラックバイト問題に関しての特集がありましたのでまとめてみます。
飛び出したキーワードは『コマ給』というものでした、いったいどういうものなのでしょうか。
ブラックバイト問題で学生が会見に臨みました
学習塾の『湘南ゼミナール』で講師のアルバイトをしているという19歳の男子大学生が会見に臨んだ様子が放送されました。
ブラックな状況が蔓延していることに疑問を持ちつつも、その状況を受け入れながらも働いてしまっているということだそうですが、やはり疑問や不満が限界に達してしまっているようでした。
高校生の頃にご自身も通っていた塾なのだそうで、大学生になると共に湘南ゼミナールでの講師として勤務しだしたのだそうです。
賃金はコマ給単価
授業時間街の時間については給料がまったく支払われていない、というシステムが平然とまかり通っているのだそうです、このことは昨年の6月の特集の時にも言われている問題でした。
半年の歳月が経過してもブラックな状況が蔓延している、とも言えそうです。
コマ給というのは受け取った授業のコマ数に応じて給料が支払われる、というシステムだそうです。
会見に臨んだ男子大学生の場合、授業1コマ(80分)あたりの給料は1,500円なのだそうです。
ここまでは良いのですが、問題は授業を受け持っていない『休憩』の時間に起こっている出来事だそうです。
休憩時に生徒の送迎を担当させられる
本来休憩時間であるにも関わらず、その休憩時間に生徒の送迎を塾側の指示で任されている、というのです。
そして、その送迎には給料はつかないのだそうで、これが時間外のタダ働き、ということだそうです。
他にも授業の準備や予習、夕礼と呼ばれる会議や、授業に関する報告書の作成などといった非常に多くの業務があるといいます、が、これらにも給料は支払われないのだそうです。
湘南ゼミナールに限った話ではない現状も
街で元塾講師アルバイトだったという22歳の大学生にインタビューをしていました。
やはりコマ給制度であり、授業の1時間前には到着し勤務はすでに始まっていたのだそうですが、授業前のそうした準備に関しての給料の支払いはなかったのだそうです、当然のように答えていました。
現役の19歳の塾講師アルバイトの男子大学生にもインタビューをしていました。
予習の時間がかなり長い、と苦痛そうにおっしゃっていました。
学生ということもあり、本来の自分の時間を削ってまで塾講師としてのアルバイトで授業のための準備に時間を割いているにも関わらず、アルバイトとしてのお金が入らないと感じた時に「辞めたい」と思ってしまうのだそうです。
ブラックバイトユニオンの意見
ブラックバイトに関する相談の窓口であるブラックバイトユニオンによると、ブラックバイト問題の相談の全体の4割が学習塾に関する相談なのだそうです。
学習塾業界全体に蔓延している問題、と言えるのではないでしょうか…。
とはいえ、個人的にはタダ働きさせられている業界はたくさんあるとも思うのですが…それでも、高いアルバイト給料をアテにして、大学生であるという特権を活かして勤務しだしたハズなのにタダ働きの時間が多すぎて、結局時給換算をした時には他のアルバイトと変わらなくなってしまう…というのはモチベーションも下がってしまうだろうな、とは思えます。
労働基準監督署の認定
会見を開いた学生は労働基準監督署に勤務実態を届け出したそうです。
そして2015年の7月には、労働基準監督署は「(予習や送迎などの勤務にて)賃金を支払わなかったことなどは法律違反」と認定したのだそうです。
そして、湘南ゼミナールに未払い賃金の22万円を支払うように是正勧告が通達されたのだそうです。
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