2015年11月27日放送の『巷のリアルTV カミングアウト』にて、ストーカーに関する治療法が紹介されていました。
被害者側ではなく、加害者側の更生を行うことで、未然、あるいはエスカレートせずともストーカー犯罪がなんとか抑えられるかもしれない、番組を観ていてそう思えました。
ストーカーになってしまう加害者側の多くはおそらく、自覚症状があるものと思われます。
「こんな自分はイヤだ」と思う人が多くいると思えるのです…。
いかなる人間であろうと、理性と戦う、という場面は人生で多くあると思われます。
今回のカミングアウトでは、すべての人に役立つような『理性』に関するお話も登場したように見受けられました。
登場したのはストーカー対策のプロの小早川明子さん
ストーカー被害のみならず、加害者への更生アドバイスやサポートを行っている方のようです。
そして、ストーカー加害者にならぬように治療する施設も紹介されました。
千葉県下総精神医療センターにて条件反射制御法という治療
条件反射制御法というのは、『理性に従わない神経の活動をコントロールする治療法』だそうです。
この治療法はストーカーのみならず、薬物乱用やパニック症など様々な症状に効果的なのだといいます。
ヒトの行動というものは2つの司令塔でコントロールされているといいます。
ひとつめは第一信号系で、防御・摂食・生殖を司る動物的な司令塔。
ふたつめが、ヒトだけが持つ理性的な司令塔です。
男女の恋愛関係においては第一信号系として、接近し親密になるように働きます。
第二信号系は対象の異性が接近や親密を拒否すれば、それに従い距離をとろうとします、これこそ理性といえそうですまさしく。
ところが、ストーカーの場合はこの第一信号系のほうが突出してしまい、破滅的な行動にも至ってしまう可能性があるのだそうです…。
そこで条件反射制御法、第一信号系の活動を弱くしたりブレーキをかけたり、といった治療を行うようです。
あるいは第二信号系が行動をコントロール出来る状態にする治療法があるようです。
具体的には以下のような4つのステップで治療が進められていくそうです。
1st:キーワード・アクション
「私は今 彼女のことを 殺せない 大丈夫だ」
といった具合に、このような文言を動作つきで反復し、第一信号系にブレーキをかけていくそうです。
1日20回をめどに、約2週間で200回以上行う、というものでした。
これで実際に治療を受けた加害者の人は、最終的にはイライラが沈んた、とも語っていました。
2nd:疑似
疑似とは、実際に行っていたストーカー行為を真似て行い、達成しないまま終わらせる、という治療法。
番組で登場した加害者は、パソコンでネットを使い、オークションようのIDを本名から予測し探り当て、結果的にその人の住所まで調べあげた、というものでしたので、この場合の疑似は電源の入っていないパソコンを使い、相手を探すような操作を繰り返しました。
こちらも1日20回をめどに2週間、200回以上行うというものでした。
この疑似治療法は、第一信号系に作用するようです。
第一信号系は『進化』を支える司令塔でもあるので、ムダな行動(電源の入っていないパソコンをいじる)はしたくない、と思うことでストーカー行為を抑えるといったものでした。
3rd:想像
これまで行ってきたストーカー行為を詳細に思い出し、最後のところで目的を達成させずに終わらせる、という治療法。
こちらも1日20回をめどに2週間、200回以上行うというものでした。
4th:維持
上記3つを10~13週間反復しているうちに、ストーカー行為への衝動が弱まっていくということでした。
4つめが維持です、キーワード・アクションは5回以上、疑似と想像は2回以上行います。
これを、衝動がぶり返さぬように、退院後も一生をかけて行っていくのだといいます。
小早川さんは、このような治療法が日本ではまだ広まっていないのでもっと広まるべき、とおっしゃっていました。
番組に実際に登場したストーカー行為加害者の男性は下総精神医療センターを退院し、相手へのいらだちは多少残るものの、ストーカー行為への衝動はなくなったのだといいます。
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