NEWS ZEROの櫻井翔さんが担当している月曜日のコーナー『イチメン!』でもパリのテロ事件に関して、その背景として指摘されているシリアの今を解説されていました。
今回、サッカー競技場近くの現場に落ちていたパスポートは、シリア国籍のアフマド・アル・モハンマドという人物のものでした。
フランスとシリアに、どのような関係があったというのでしょうか。
シリアの国内情勢
シリアは中東で、北をトルコ、東をイラクに挟まれている。
シリアでは2011年から4年半以上に渡り内戦が続いている現状があります。
当初はアサド大統領政権と反体制派の衝突でしたが、内戦が長引き混乱が続く中でイスラム国が出てきました。
このようにして現在では三つ巴の内戦状態となっており、泥沼化しているといいます。
こうした泥沼化で難民が発生し、国の外へと難民が逃れていきました、その数は少なくとも400万人にものぼるといわれています。
そのうち少なくとも40万人が地中海を渡り、ヨーロッパにて難民登録をしているといいます。
テロ事件の容疑者、アフマド・アル・モハンマドも難民であり、2015年の10月3日にはトルコからギリシャへ船で入国し、難民登録をしたのだそうです。
そしてその後まもなく、ヨーロッパへ入ったとみられています。
つまり、難民に紛れてテロリストが入国してしまっている可能性があるというのです。
フランスがテロのターゲットになってしまった理由
『有志連合』というアメリカ主導の組織があります。
シリアなどのイスラム国に対抗する(有志ある)国の集まり、といったところでしょう。
2014年9月に結成されたもので、65の国や地域が加入。
フランス、カナダ、トルコ、オーストラリア、バーレーン、ヨルダン、サウジアラビア、UAE、シンガポール、イギリス、フィンランド、そして日本も。
日本はこの有志連合にてどのような活動をしているのかというと、シリアから脱出した難民への人道支援です、これまでに11億ドル以上のお金を出してきているということです。
他の国のすべての活動内容はわかりかねますが、フランス、カナダ、トルコ、オーストラリア、バーレーン、ヨルダン、サウジアラビア、UAE、こうした国々ではシリアへの空爆行為を行っているといいます。
フランスがシリアの空爆に参加したのは2015年の9月です。
イスラム国が出した犯行声明文の中には、「有志連合の空爆」に対する警告もあったといい、つまり今回のテトは空爆する国への報復テロとの見方もできるようです。
有志連合とロシアの関係も複雑
有志連合が支援するのは、アサド政権への反体制派組織。
反体制派組織を支援する形として、イスラム国への空爆を行っているといいます。
一方ロシアは、2015年9月にアサド政権を支援する形でイスラム国を空爆しています。
更にロシアは、アサド政権への反体制派組織に対しても空爆を行っているものともみられているのです。
2015年11月にはエジプトのシナイ半島でロシア旅客機が墜落するという事件がありましたが、これもイスラム国の一派の爆弾テロである可能性が強いようです。
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